糖尿病治療の概要
1/治療内容について
糖尿病の患者様に対し、患者様自身の脂肪から取り出した脂肪由来幹細胞を必要な細胞数になるまでに培養して、静脈点滴により投与する治療法です。
2/治療の特徴と有用性
幹細胞を使った再生治療の有用性として、人工物や他者の細胞を用いず患者様本人の脂肪から製造した自己脂肪由来幹細胞を用いるため、アレルギー反応の恐れがないことがあげられます。
3/期待される効果
ご自身の脂肪由来幹細胞を投与することにより、糖尿病により破損や機能不全がみられる膵島β細胞の修復、機能回復する効果や、脂肪由来幹細胞から分泌される炎症を抑制する物質の働きにより糖尿病にともなう炎症を抑制する効果が得られます。
4/糖尿病における再生医療治療の効果と可能性
糖尿病の治療法は症状によっても違いますが、何らかの原因によりインスリンを分泌する膵島β細胞が破壊されることにより発症する「Ⅰ型糖尿病」の場合はインスリン注射が基本的な治療法となります。しかしインスリン注射は定期的に継続して行う必要があり、患者様にとっても負担が大きくかかる治療法です。加えてインスリン注射では症状は一時的に改善はみられますが、破壊された膵島β細胞を回復することはできず、糖尿病を根治することは困難です。
また肥満や生活習慣に原因がある「Ⅱ型糖尿病」の場合は、食事療法や運動療法による生活改善、血糖値を下げる薬剤やインスリンの分泌を増加させる薬剤を服用する薬剤療法、また症状によってはインスリン注射による治療法があります。しかしながらこれらの治療法は糖尿病の症状の進行を抑える効果は期待できるものの、根本的な原因を解決する治療法ではありません。
本治療法では糖尿病により損傷や機能不全がみられる膵島β細胞を修復、機能回復する効果や脂肪由来幹細胞から分泌される炎症を抑制する物質の働きにより糖尿病に伴う炎症を抑制する効果により、糖尿病の症状を根本的に改善できる可能性があります。
治療の流れ
1/医師によるカウンセリングと検診

◆問診を行うとともに、再生治療に関する正確な情報提供や、治療方法についてカウンセリングします。
◆問診は、ここからオンラインで行っていただくことも可能です。オンラインで問診票を送信いただいた場合は、受付窓口よりカウンセリング日時の調整を実施させていただきます。
◆カウンセリングは当社指定の病院にて受けていただきます。また、カウンセリングには、初診料が必要となるため、有償となります。
◆カウンセリング後、治療方法にご納得いただいてから、治療を開始します。
◆採血や検診を行い、適合性を確認した後、脂肪採取へと移ります。
2/脂肪の採取

◆局所麻酔を行い、腹部の皮下脂肪から組織を採取します。局所麻酔を使いますので、痛みを感じることなく(※痛みの感じ方には個人差がございます)採取が可能です。
◆採取する脂肪の量は5mg程度です。脂肪採取後、経過観察を1時間経てご帰宅いただけます。
3/幹細胞の抽出と培養

◆脂肪組織から幹細胞を抽出し、約4~6週間かけて培養します。培養は厚生労働省から認可を受けた、細胞培養加工施設で厳格な品質管理のもと行われます。また、幹細胞には生きている微生物が存在しないことを確認するために無菌性の試験を実施します。
4/幹細胞の投与

◆約4~6週間かけて培養した幹細胞を投与します。医師が当日の健康状態をチェックした上で問題なければ、当日中に投与を行います。投与は静脈点滴により投与しますので、痛みはほとんどありません。
◆点滴完了後、経過観察を1時間経てご帰宅いただけます。
◆培養した幹細胞の一部は将来に備え冷結保存します。
5/アフターフォロー

◆幹細胞の投与後も定期的に診察を行います。長期的に健康状態を確認します。
◆遠方等の理由で定期的な通院が難しい場合は、ご連絡にて経過観察を行う場合や、かかりつけの病院、かかりつけ医とも連携して、経過の状況を共有させていただくこともあります。